前立腺癌に対する手術
手術療法に関しては、経腹的な恥骨後式前立腺全摘除術に加え、低侵襲性の経会陰式前立腺全摘除術を患者様の病状にあわせて選択しています。
手術では前立腺、精嚢、膀胱の一部を一塊にして摘除します。
経腹的アプローチ

恥骨後式の切開線
一般的な前立腺癌の手術方法で、臍下から約10cm 程度の皮膚切開を加え、腹側より前立腺にアプローチします。尿道を切断し、前立腺を尿道、膀胱の一部、精嚢とともに一塊に摘出します。リンパ節を同時に摘除できる利点があります。体の負担が比較的少ない腹腔鏡下前立腺全摘除術も行われます。開腹手術でも創部が小さい小切開手術を腹腔鏡カメラを使用して行っています。また勃起神経温存治療を積極的に行っています。
経会陰的アプローチ

恥骨後式の切開線
肛門周囲を逆U 字型に切開し、会陰側より前立腺にアプローチします。直腸との間で剥離を進め、前立腺を尿道、膀胱の一部、精嚢とともに一塊に摘出します。骨盤底部の筋膜を切開しないため、手術後の排尿障害や尿失禁がきわめて少ない手術です。手術傷が小さいため、侵襲性が少なく、尿道と膀胱の再吻合が視野のよい術野で可能です。比較的小さな癌がこの手術の適応となります。
日本でも数施設しかしかこの手術を行っていない高度な手術のため、泌尿器科医の全国の手術手技勉強会やメディアにも注目されています。

会陰式前立腺全摘除術の手順(引用文献:BJU Int. 2004 Feb;93:427-55.)

堀江 重郎
井手 久満


