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HoLEP・HoLAP(ホーレップ・ホーラップ:ホルミウムヤグレーザー)

レーザー光が切り開く新時代の前立腺肥大症治療戦略

 前立腺肥大症(BPH)の治療法は、薬物療法および外科的治療に大別されます。初期治療として、薬物療法が選択されますが、その種類としては、α遮断薬、抗男性ホルモン薬、その他の薬剤(植物エキス、アミノ酸製剤、漢方薬など)があります。中等ないし重症症例に適応される外科的治療法は、従来からの経尿道的前立腺切除(TUR-P)や被膜下摘除術に加え、マイクロ波やラジオ波による高温度治療(TUMT:経尿道的マイクロ波高温度治療術)、TURF:経尿道的ラジオ波高温度治療術)あるいは各種レーザーを用いた経尿道的治療(ILCP:組織内レーザー凝固術、VLAP:内視鏡下レーザー切除術、HoLAP:ホルミウムレーザー切除術)、さらにはTUR-P の切除ループに改良を加え切除と蒸散の両方が可能な方法(TUVP:経尿道的蒸散切除術)や経尿道的光選択的前立腺蒸散法(PVP)など多様な改良がなされています。上記治療は、いずれも前立腺腺腫被膜を切開、蒸散し前立腺による下部尿路閉塞を改善します。

 そんな中、内視鏡手術の概念としては、まったく異なった方法が登場しました。それが、ホルミウムレーザー前立腺核出術(holmium laser enucleation of the prostate; HoLEP)です。HoLEP は、HoLAP の応用であり、ホルミウムレーザーを用いた内視鏡下の前立腺核出術です。今まで前立腺核出術は、開腹にて被膜下摘除術という方法を用いて行われていました。HoLEP は内視鏡下に外科的被膜に侵入し、無血管野を剥離し、腺腫被膜を破ることなく前立腺内腺を核出します。従来、開腹手術が選択されるような100g 以上の大きな前立腺症例に対しても、輸血の必要なく、安全に施行できるもので、有用性が高く、開放手術に替わる minimum-invasive surgery (小皮切・小侵襲な手術) として注目を集めています。さらに入院期間が従来のTURPでは5-7日間でしたが、レーザー治療では2-3日に短縮される点で普及しつつある治療です。実際アメリカをはじめ、海外では主流になっており、国内でも保険適応です。
われわれも2006 年度は19 例、2007 年度は39 例に本手術を行い、十分な経験を積んでいます。 

当院での施行症例(MRI画像)

HoLEP治療前後の前立腺の状態の対比

HoLEP 施行前後のMRI 画像での比較
術前経直腸超音波検査での前立腺内腺重量78g の症例。当院にてHoLEP 施行。術後内腺はすべて核出されています。

治療前後の尿流量測定(おしっこの勢い検査)の比較

治療前7ml/sec 治療後22ml/sec


HoLEP 前の最大尿流量7.0ml/sec (国際症状スコア23点、QOL スコア5 点) の症例。HoLEP 後は、最大尿流量
22ml/sec( 国際前立腺スコア5 点、QOL スコア1 点)と著明な改善をしています。

治療の実際

HoLEP(Holmium Laser Enucleation of the Prostate:前立腺核出術)直射型レーザー使用

適応)中等度以上(約50グラム以上)の比較的大きな肥大症が適応となります。内腺と外腺の間をレーザーで切開(剥がす)し肥大した内腺を膀胱内へ核出(=くりぬく)し器具でその内腺を吸引し吸い出します。(みかんの実を丸ごと皮から剥くイメージ)従来のTURPと異なり、腫大した前立腺結節を完全に除去するために、将来の再発の危険性も少なく、また気持ちのよい排尿が期待できます。

HoLAP(Holmium Laser Ablation of the Prostate:前立腺蒸散術)側射型レーザー使用

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中等度まで(約50グラム以下)の比較的小さな肥大症が適応です。肥大した内腺をレーザーで照射し組織を蒸散させて取り除きます。(雪が消えるイメージ)

治療の合併症

レーザー治療ではTURPよりも合併症が少ないですが、腫大した前立腺結節を完全に除去するため、手術後一時的に、尿の漏れや尿のこらえが悪くなることが他院より報告されています。当院では、このような合併症がないよう、手術技術を高めて治療を行い、これまで満足がゆくものとなっております。

費用

保険治療ですので、従来の治療と変わらず、むしろ入院期間が少なくてすみます。

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