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女性泌尿器科手術

 帝京大学泌尿器科女性泌尿器科グループの手術は、おもに骨盤底再建(Pelvic Reconstructive Surgery)という新しい分野に取り組んでいます。この分野では、以前は尿失禁・膀胱瘤は泌尿器科、膀胱子宮脱・経膣直腸脱は婦人科、直腸脱・便失禁は外科と分野を分けていたために、一人の医師が骨盤底全体をみて手術を進めていくには、大変難しい問題がありました。しかし、1996 年に濠州の医師ウルムステンとペトロスによりインテグラル仮説(図1)が発表されて以来、骨盤底全体を把握する方法がより具体的になってきま
した。プローリンによる人工メッシュ(図2)を用いて、難治例の膀胱瘤の修復(図3)などが、課題になってきました。

  現在、帝京大学泌尿器科では、この骨盤底再建すべての分野の取り扱いを進めています。膀胱瘤、直腸瘤などをはじめ、骨盤底の小さな弛緩から生じる不快感から、子宮摘出後に内蔵の多くの部分が落ちてきた巨大内臓脱まで取り組んでいます。また、グループは、横須賀市立うわまち病院(神奈川県)、獨協医科大学越谷病院(埼玉県)と連携して治療をすすめており、今後は人的交流、手術を通じた骨盤底全体の解剖学・生理学の把握をも研究しております。おもな手術研究課題としては、メッシュを用いた手術、皮膚を切らない手術(TFSという新しい分野です)、骨盤底全再建です。

図1 インテグラル仮説では、骨盤の中を、前部・中部・後部にわけて考える。これは、骨盤全体を把握して、総合的に手術を進めるためである。今まで泌尿器科では、前部の一部のみがクローズアップされてきた。しかし、これからは骨盤底外科の時代であり、この3つの領域をすべて理解して治療をすすめていくことが課題である。

図2 世界的には先端方法であるプロリフト型のメッシュつり上げ用のメッシュである。メッシュ本体で膀胱をささえ、左右についたストラップで閉鎖膜などへ固定する。

図3 メッシュによるつり上げ(プロリフト型)のイメージ。膀胱は、テンションフリーに全体的にささえられている。