前立腺癌
治療
前立腺癌の治療法として、外科療法、放射線療法、内分泌療法、化学療法の4種類があります。医師はそこから臨床病期と年齢、癌の悪性度に応じた治療法を提案します。そこから治療を受ける方が選択することが一般的になっています。
1.内分泌療法
前立腺癌は、血液中の男性ホルモン (テストステロン)を減少させると小さくなっていきます。その性質を用いた治療法が内分泌療法です。
テストステロンは精巣で作られるため、精巣を摘除する去勢術や、下垂体に作用してテストステロンを去勢術を施行した時と同じくらいに低下させる薬剤(LH-RHアナログ)の投与が行われ、腫瘍量が少ない場合は長期にわたり有効なことがあります。
テストステロン産生を抑えるエストロゲンや抗男性ホルモン剤も有効です。内分泌療法は主として転移がある前立腺癌や高齢者に用いられる治療ですが癌の退縮効果は一時的な場合も多くあります。また男性ホルモンを遮断することで骨粗鬆症や貧血、代謝、精神活動への影響が起こることがあります。
2.手術療法
前立腺・精嚢を取り除く手術法「根治的前立腺全摘除術」が転移のない癌に対する標準的な治療法です。前立腺を取り除いた後は膀胱と尿道を吻合(ふんごう)します。また骨盤内のリンパ節も摘出し、転移の有無を調べます。標準的な手術法である理由は治療効果が約80~90%で得られる現在最も確実な治療法でありことと、開放(開腹)手術の場合に保険が適用されるからです。また、従来は腹壁、筋膜を切開する開放手術をしていましたが、現在では内視鏡の一種である腹腔鏡を用いて手術を行う施設が増えています。
癌が前立腺を越えて進展していた場合、あるいは術後に尿道や膀胱に再発した場合は、内分泌療法や放射線療法を追加することがあります。入院期間が、約3~4週間かかり、手術後の合併症として、尿の漏れ(尿失禁)や勃起不全を起こすことがあります。腫瘍が前立腺内に限局した癌では QOL(生活の質)を維持するために勃起神経温存手術を行うこともあります。
3.放射線療法
体外から前立腺、あるいは骨盤に放射線を照射し、癌細胞にダメージを与える治療法です。内分泌療法を併用すると治療効果が高く、手術療法と遜色ない結果が得られます。心臓や呼吸機能などの持病があり、手術への危険が大きいとき、あるいは手術に気が進まないときに最初の治療として行われます。少量の放射線を患部の様子を見ながら、長期間当てていくので入院期間は約6~8週間と長期にわたります。
また、放射線の影響で周囲の臓器に副作用を生じることがあります。頻尿や下痢、肛門の痛みがあるほか、直腸炎、膀胱炎などの症状が出ることもあります。また骨転移の強い疼痛(とうつう)や骨折の危険が高い部位に対症的に放射線治療を行うことがあります。前立腺内に放射性物質を埋め込み治療する方法も試みられています。
4.化学療法
内分泌治療が有効でない症例や、効果がなくなった時にタキソールなどの抗がん剤を組み合わせる治療を行うことがあります。効果は一時的な場合が多いです。
5.先端治療
体への負担・治療期間の長さなど手術療法や放射線療法などでは患者様への負担が大きくなります。最先端の前立腺癌治療法「HIFU(高密度焦点式超音波治療法)」では初期の前立腺癌に限りますが、負担が従来の方法より格段に軽減します。詳しくはHIFUの紹介。HIFUは注目度の高い治療法ですので、英文による紹介、韓国語による紹介も掲載しています。
映像資料
帝京大学が提供する疾患・治療情報を紹介するTV番組「帝京大学健康ステーション
」(CS日本141ch・G+にて放送)で放送した「タイトル:前立腺がん」をネット上でご覧いただけます。
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堀江 重郎



